2014 J1 第33節 サガン鳥栖 1:1浦和レッズ
今節を迎えた時点で首位に立っている浦和。2位のガンバ大阪とは勝ち点2ポイント差。
浦和としては優勝するためには絶対に落とせない1戦。一方の鳥栖も実は数字上、
優勝の可能性を残している。さらに優勝できなくともACL出場権を得ることができる
3位に滑り込むために勝ち点3が欲しい試合だ。
試合はお互い慎重な展開。両チームの状況としてはともにモチベーション
が高く、もっと白熱した展開を予想していたが、落ち着いた展開となった。
特に浦和はナーバスになっていた様子。中盤のボール争いにおいて細かいファールで
たびたび試合が止まってしまう。膠着した状況が続く中、前半、鳥栖にアクシデント。
ボランチのMF6岡本が怪我で交代を余儀なくされる。その後、お互いチャンスを
迎えることなく、前半を終えた。
試合通して激しくプレスをかける浦和。鳥栖は後半になってもロングボールでの
攻撃が続き、なかなか組み立てができない。それでも決定的なチャンスを与えることなく、
じょじょに運動量で押し込んでいく。
だが鳥栖のペースになりつつあった後半22分、浦和が一瞬の隙を突く。
鳥栖DFライン裏にタテパス1本で浦和FW20李が抜け出し、
GKと1対1のチャンス。後ろから懸命に追う鳥栖DF36菊地だが、PA内でたまらず
倒してしまった。このプレーに主審はレッドカードを提示。浦和はこのプレーで得た
PKをMF22阿部がしっかり沈め、欲しかった先制点を挙げる。
鳥栖は菊地が抜けたポジションにDF4小林が入った。
リードした上、一人多い浦和は無理に点を取らずにボールを回して時間を使うように
なっていく。鳥栖はなかなかボールを奪えない。
鳥栖はパワープレーにでるため、岡本と交代で出場していたMF28高橋に替えてMF29
谷口を投入。高橋には気の毒な状況となった。
試合はそのままロスタイム。ゴール前を引いて固める浦和に向かって鳥栖はGK林が前線
に送ったボールがコーナーキックに。その時点で手元の時計でロスタイム残り1分。
最後のチャンスと見たGK林は浦和ゴール前まで上がってきた。
キッカーはMF14藤田。藤田は右足で鋭いボールを入れるとそれに合わせたのは、
小林。 小林のヘディングシュートはゴール右にそのまま吸い込まれ、ゴール!
土壇場の同点でスタジアムは沸くも、ゴールした小林は喜ぶのもそこそこに
すぐさまセンターサークルに向かって走っていく。最後まで逆転を目指す鳥栖に対して
浦和の選手はショックで立てず。結局、このプレー直後にホイッスルが鳴り、試合終了。
浦和はこの試合、勝ち点1しか積み上げられず、得失点差で首位を明け渡してしまった。
鳥栖にとっても痛い引き分けだったが、10人でこの結果なので胸をはっていいだろう。
リーグ戦は残り1試合。鳥栖はACL出場権をかけてアウェーの鹿島戦に臨む。