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最近の読書ですが、ノンフィクションにはまってます。
今回は『大空のサムライ』坂井三郎著。

世界大戦中に日本のエースパイロットとして活躍された坂井三郎氏が戦時中の体験について綴った感動の物語。

って話の内容は悲しい話やつらい部分もたくさんあるわけですが。
まだ十代や二十歳そこそこの若者が命をかけて戦う戦場での友情には心打たれるものがありました。

本当にたくさんの将来ある若者達が国の為に戦って命を落として行ったんですよね。


また、このお話には友情の話の他に坂井氏が飛行機乗りとして相手に勝つためにどのようにして工夫や努力をしてきたかということも詳しく書かれてありました。その内容には現代社会において成功するためのヒントがたくさん隠されているような気がします。

戦時中は毎日、毎日が勝負で明日は保証されていません。だからこそ、皆兵士達は日々厳しい訓練をして技術を磨いていました。勝って生き残るため。
中途半端に戦場にでるわけにはいけなかったのです。

坂井氏曰く、人間が普段使っている能力はパーセンテージに直すと約30%。残りの70%は捨てているとの事です。いかにしてその70%から能力を引き出すのかが重要となります。

そのために坂井氏は日々厳しい訓練を課し、戦いに臨んでました。
厳しい訓練を課すことで自分の限界を広げていく。

飛行機にのって空中戦を行う時、パイロットにはものすごいGがかかります。操縦する方も大変苦しくなるそうです。しかし、苦しいからといって
操縦桿から手を離すとあっという間に敵にやられてしまいます。

我慢比べになるわけですね。敵との戦いというより、自分との戦いになるわけです。坂井氏は自分が苦しい時は相手も苦しい、そしてそうした時はむしろこっちが相手を追い詰めていることが多いと考えていました。

だから、限界の中でどれだけ自分が踏ん張ることができるか。そこが生死の境目でした。

―敵と闘うことより自分に打ち勝つことの方が難しい―

自分に打ち勝つことができれば、敵にも勝てる。
日々の生活でも自分に打ち勝つことで誘惑を断ち切り、厳しく自分を節することができれば、競争相手にも勝つことができるんですね。


私達の生活はこの戦時中のような極限状態ではなく、よほどのことがない限り明日はありますが、坂井氏が本で語って下さったことを少しでも実践することができればいいなと思っています。


この『大空のサムライ』には現代人が忘れてしまった大切なものが
たくさん込められています。