Thursday 26 December 2013

天皇杯 準々決勝 サガン鳥栖 vs 川崎フロンターレ

去る12/22(日) 鳥栖市ベストアメニティスタジアムでのサガン鳥栖 対 川崎フロンターレ
の天皇杯 準々決勝が行われました。

天皇杯はいつものリーグ戦とはまた違った雰囲気。スタジアムDJもいませんし、
とても静かな雰囲気です。この権威ある日本唯一のオープントーナメントは優勝チームに
ACLの出場権が与えられます。両チームとも負けたら終わりですので戦い方も
リーグ戦と変わってきますね。

試合は運動量で勝る鳥栖が攻勢で試合を進めていきました。セカンドボールを
拾いまくり、五分五分のボールもほぼモノにしていきます。前半、何度かチャンス
をつくるもののラストパスの精度や決定力に欠き、得点ならず。対する川崎は
押し込まれつつも前を向いた状態で少しでもスペースを与えると連動したパスと
動きであっさりと鳥栖ディフェンスを崩し、チャンスをつくってきます。
前半は結局スコアレスドロー。この時、自分はちょっとイヤな感じがしました。
サッカーでは押しているチームがなかなか点を獲れずに、ふいに失点して敗れる
というのはよくあるパターンだからです。

後半、鳥栖は右サイドのMF25早坂を代えてMF8水沼を投入。
水沼はピッチに入って早々元気のある動きで鳥栖の動きを活性化させました。
後半も押し気味に進める鳥栖ですが、なかなか決定的なチャンスをつくりだす
ことができず。逆に後半終盤にはミスからピンチを迎えることもありましたが、
体を張った守備で何とか守りきります。
鳥栖は前がかりになりながらも集中した守備で得点を許さなかったのは
本当にJ2の時からすると全く別チームのようです。
この試合はトーナメントなので決着がつかなければPK戦まで行われます。
延長戦が頭をよぎる後半は選手の交代も両チームとも消極的になりました。
そのせいか両チームとも決め手に欠き、どちらも得点ならず、やはり延長戦
に入りました。
これまで前後半通じてかなりの運動量だった鳥栖。延長戦は少し運動量が心配では
ありましたが、それまでと変わらずプレーできていました。足を攣る選手も
いなかったのにはびっくりでしたね。

試合が動いたのは延長前半でした。ボランチの高橋が自陣ゴール前でボールを拾うと
マークについてる相手選手を振り切り一気に左サイドを駆け上がります。
高橋は中央ゴール前にいた藤田へパス。藤田はワンタッチでさらに右サイドを駆け上がっていた
丹羽へ。フリーの丹羽は落ち着いて右足を振りぬきシュート!低く抑えられたシュート
はゴール左ポストを叩いてゴールへ転がっていきました。待望の先制点!
丹羽は喜びを爆発させてベンチに駆け寄ります。ゴールを奪った鳥栖はその後
動きが心なしかよくなっていましたね。
さらに延長後半、点を獲るため前がかりになった川崎の裏を突いて水沼が追加点を
あげます。川崎の猛攻で防戦一方になった鳥栖ですが、藤田がボールを拾うと
右サイドで相手DFライン裏に走っていた水沼へフィード。
水沼は上手く抜け出してGKと1対1に!水沼は思い切りよく撃ったシュートはGKをやぶって
ゴールへ。このダメ押し点でほぼ勝利を確信した鳥栖。スタジアムもこの日一番の大盛り上がり。

実はこの時点で自分は用事があったのでスタジアムを後にしたのですが、試合は
このまま終了。鳥栖はクラブ史上初のベスト4です。
少しずつ鳥栖に新たな歴史を刻んでいく選手達。本当に頼もしい選手達です。
来年のチーム編成がどうなるか分かりませんが、少しでも長く今のチームを
見れればいいですね。


Monday 9 December 2013

2013 J league はたしてシャーレはどのチームに?

J1 第34節 鹿島アントラーズ vs サンフレッチェ広島

今年も大混戦となったJリーグ。優勝争いは最終節までもつれました。
優勝の可能性があったのは3チーム。

横浜Fマリノス (川崎フロンターレと対戦) 勝点62

勝利:無条件で優勝決定
引き分け:広島が負けor引き分け
負け:〃

サンフレッチェ広島(鹿島アントラーズと対戦) 勝点60

勝利:絶対条件。さらに横浜が負ければ優勝
引き分け:横浜の優勝
負け:〃

鹿島アントラーズ 勝点59

勝利が絶対条件。さらに横浜が負けた上、最低9点差で勝たないといけない。

現実的に優勝を狙えるのは横浜と広島。状況としては横浜がかなり有利な状況です。
本来、前節でも横浜の優勝が決まってもおかしくなかったのですが、
優勝の行方は最終節までもつれてしまいました。大方の見方としては
横浜がいつ決めるのかという感じだったと思います。
それでも広島も優勝をあきらめてはいないわけで、かなり強い気持ちでこの日の試合
に臨んでいたようです。

この日、広島と対戦する鹿島は数字上では優勝の可能性があったとはいえ、
あまり現実的ではなく、ACLの出場権をかけて試合に臨む形となりました。

私はこの広島と鹿島の試合をTV観戦
※なんと横浜と川崎の試合が民法で放送されているのを知らなかった。

試合は広島がボールを保持して攻め込み、鹿島が守ってカウンターという
展開となりました。鹿島は粘り強い守備で自陣にブロックを敷いてスペースを
与えません。
広島はDFラインでボールを回しますが、真ん中を固めて守る鹿島相手に
なかなかくさびのパスを入れることができず、攻撃の糸口をつかめない。
鹿島はうかつにボールを獲りに行って陣形を崩すと広島
にタテパスを入れられて、そこから崩されるため、かなり慎重になっていました。
中央からなかなか攻めきれない広島は右サイドからMFミキッチがスピードを
生かした突破からチャンスを見出だします。
何とか耐える鹿島。鹿島は広島が攻撃にでて前がかりになった
時にチャンスになりました。鹿島はFW大迫が起点となって組み立てていきます。
サイドからのミキッチの突破以外でなかなか鹿島の守備を崩せない広島。
前半35分でした。広島は一瞬の隙をつきます。
MF高萩が鹿島守備陣の裏をとって鹿島PA付近でボールを受けると、
その瞬間、広島のFW佐藤が鹿島DFラインの裏をとる動き。
鹿島DFはその動きにつられてスペースを空けてしまいました。
するとそのスペースへ広島MF石原がフリーで走りこんできました。
高萩からのスルーパスを受けるとGKと1対1に。
石原は落ち着いて、飛び込んできたGKの頭上をかわすループシュート。

広島が守りを固めた鹿島相手にあっさりと先制しました。
鹿島はこれでかなり苦しくなりました。広島はこれまで失点数が非常に少ない
チーム。その上ポゼッションサッカーができて、相手が前がかりにでると
簡単に相手の裏をつくことができるチームです。

鹿島も反撃に出ようとしていましたが、試合の流れが決定的になったのは
前半ロスタイムに2枚目のイエローで鹿島FW大迫が退場になった場面でした。
リードされた上に広島相手に数的不利となると非常に厳しくなります。
確かに大迫のファールはイエローでも妥当なのかもしれませんが、
主審は広島がリードしている状況で出さなくてもよかったかなと思いました。


その後、試合は後半に広島がFW石原がこの日2点目のゴールでダメ押し。
鹿島も一人少ないながらも攻撃にでますが及ばず。そのまま試合終了と
なりました。

そこで気になるのは他会場の結果。
試合会場は一旦しーんと静まり返りました。
すると間もなく横浜‐川崎の結果が表示されました。
0-1。横浜が川崎に敗れ、この瞬間
広島は大逆転での優勝を決めました。
喜びを爆発させる広島の選手達。広島ベンチの監督はじめスタッフ選手らが
ピッチへ駆け出します。

横浜にとっては残酷な結果となりました。
優勝をほぼ手中にしながらも目の前ですり抜けてしまいました。
かなり有利の状況ではありましたが、アドバンテージを生かせませんでしたね。
おそらくかなりプレッシャーがあったに違いありません。

広島は昨年に続き、2連覇達成。広島のような地方のクラブが優勝するのは
非常に素晴らしいことです。育成組織も優れていて次々と才能ある選手達が
でてきています。
広島は来季もACLを戦うことになります。ACLとリーグ戦、この2つを戦うとかなり
過密日程になるため今季はターンオーバー制で戦っていた広島。
日本勢で一番勝ち進んだのはベスト4の柏レイソルですが、リーグ戦は10位でした。
一方広島はグループリーグで敗退しています。
ただ広島のサッカーは人とボールがよく動き、見ていて面白いサッカーです。
所属選手にユース出身の選手が多いのもいいですね。
広島のスタイルは本当に魅力的なので1サッカーファンとして
ぜひ世界に知らしめてほしいというのはあります。

ACLについては日程面でJリーグ側の協力が薄いというのもあり、
課題があるのも事実ですが、アジアにJリーグありというのを見せ付ける
というのと中国や中東など巨大なマネーで動くサッカー界に一石をとうじるた
めにも 来季のACLはいい結果をだしてほしいと思います。







Tuesday 3 December 2013

vs 浦和レッズ ホーム最終節

11/30(土) J1 第33節 サガン鳥栖のホーム最終戦が行われました。
浦和は逆転優勝の為には絶対に落とせない試合。かたや鳥栖はホーム最終節
ということでサポーターの前で下手な試合はできないという状況。
スタジアムには2万を超える観客が駆けつけ、異様な雰囲気に包まれていました。
アウェーながら浦和はホームの鳥栖サポーターを圧倒する応援で選手を後押ししていきます。

試合の序盤、大方の予想に反して鳥栖が押し気味に進めていきました。
鳥栖は豊富な運動量で浦和を圧倒。浦和にスペースを与えず、タテパス
も入れさせません。浦和はならばサイドから仕掛けようとするも、サイドの攻防でも鳥栖はしっかりと対応。特にDF15丹羽、DF3磯崎の両サイドバックは1対1でも負けてませんでしたね。
浦和は攻撃で手詰まりになり、後ろに戻すプレーが多くなりました。
ボールを奪うとショートカウンターで一気に攻め込む鳥栖。
左サイドのMF10金民友、右のMF25早坂が果敢に仕掛けていきます。
一度、早坂がサイドライン際で浦和選手を2人いっぺんに抜き去った時はスタジアムが沸きましたね。金民友も豊富な運動量で何度もサイドを駆け上がり、チャンスを演出していました。小さい体ながらフィジカルが強く、重戦車のような突破力です。

先制は鳥栖でした。右CKからニアに飛び込んだFW22池田のシュートがポストに当り、跳ね返ったところを早坂が押し込みました。鳥栖がハードワークで押し込んでいる間に点がとれたのはとても大きかったと思います。
さらに前半、鳥栖はFW11豊田が追加点を挙げます。浦和PA前でインターセプトしたボールを金民友が相手DFライン裏にだして、フリーで走りこんでいた豊田へ。
GKが飛び出してきてましたが、豊田は寸前のところでボールにさわり、GKとぶつかりながらゴール左に流し込みました。
浦和はなかなか攻撃の糸口が見つからないながらも一瞬の隙をついて
柏木らがフリーでボールを受け、チャンスを作り出していきます。特に
柏木がゴール前でフリーでボールを持つと鳥栖はたびたび危険な場面に陥りました。
柏木にはポスト直撃のシュートを撃たれた他、ドリブルでPAに切り込まれ、
ゴール右隅いっぱいに際どいシュートを撃たれましたが、
この時はGK33林が横っ飛びで何とか左手にあててセーブしました。
林は以前の試合で完封したとき、DFがシュートコースをきってくれたので
ピンチというピンチはほとんどなかったというようなことを言っていました。
今回もDF36菊地が寄せてはいましたが、そうそうセーブできるGKが国内
にどれだけいるのかなとも思います。

後半も鳥栖の運動量は衰えず、鳥栖優勢で試合が進みます。浦和は
梅崎を関口に変えてサイドで状況を打開しようとするも、状況は変わらず。
試合の流れが動いたのは鳥栖の選手交代でした。鳥栖は前線からのプレスと
ポストプレーで起点になっていた池田を変えてMF16ニルソンを投入。
この交代はいつもの流れですが、まだ後半24分、池田は動けていましたし、
攻撃でもよくボールを収めて起点になっていたので早いのではとも思いました。
そして後半36分には早坂に代えてDF4小林を投入して5バックにします。
この2つの交代で鳥栖は浦和の猛攻にさらされることになります。
5バックだとどうしても前の選手が少なくなるのでプレスをかけることができず、揺さぶられてしまいます。またDFラインも下がり気味なので攻撃の選手はカウンターを仕掛けようにもかなりの距離を走らなければいけません。
浦和は原口が切り返しからクロスを入れ、それに合わせた興梠がポスト直撃のヘディングシュート。さらに槙野が鳥栖PA内でドリブルで仕掛け、
逆をつかれた鳥栖DF丹羽が引っ掛けてしまい、あわやPKという場面も。
ひやひやする場面が続きますが、何とかしのぎました。

後半42分には鳥栖はMF14藤田に代えてMF8水沼を投入。守備・守備ときて
今度は攻撃の選手を投入しました。再びスイッチ入れろということなのでしょう。
鳥栖は攻め込まれながらも虎視眈々とカウンターを狙っていきます。
後半45分。ボールを奪った鳥栖は左サイドに走りこんでいた金民友
へ。浦和はかなり前がかりになっていたので人数が手薄でした。
フリーで受けた金民友はドリブルで持ち込み、ゴール前に長い距離を
走りこんできた豊田へグラウンダーのクロス。浦和の選手は対応できず、
GKと1対1の場面に。そこでたまらず、後から追いかけてきた浦和MF鈴木
が後ろから豊田を突き飛ばしてしまい、主審はPKを宣告しました。

キッカーは豊田。このPKを落ち着いて沈め、3-0。勝利を確信した豊田はサポーター前まで走っていき、喜びを爆発させます。
その直後、浦和は柏木のクロスから浦和DF那須がヘディングでようやく1点返すも、鳥栖はカウンターでトドメとなる4点目を叩きこみ、勝負アリ。
4点目は右サイドから抜け出した水沼がクロスを入れて金民友が合わせるも、
GKに止められ、こぼれたボールを豊田が蹴りこみました。
豊田はこの試合、ハットトリックの活躍。チーム全員がハードワークして作ったチャンスをしっかりモノにした結果だと思います。

今回、浦和の守備があまり組織的ではなかったのもあるかもですが、本当に昔と大違いですね。J2時代の鳥栖はリードしている時、終了10分前からコーナーで時間稼ぎをしていた記憶がありますから(笑)

浦和はどの選手も能力は非常に高い選手ばかりでしたが、個人の能力に頼っている部分が大きいのかもしれません。浦和はJリーグのビッグクラブ。
今回の敗戦は彼らにとっても悔しかったと思いますが、一部の選手の悔しがり方がどこか作ったような感じで違和感を覚えました。敗戦に本当にショックを受けていれば、どこか悲壮感が見てる方にも伝わるものですが、その選手らは演じているような
感じでした。こういう時はこうした態度をとるというのが決まっているような感じです。
彼らにしてみたら、というかJの選手全員からすれば、負けたときの態度にまでとやかく言われる筋合いはないと思うでしょうが、プロの選手はどんなに嫌な場面でもしっかりと受け止め、次に向かっていかないといけない。そんな厳しさを実感させられました。