Monday 30 June 2014

日本のワールドカップを振り返る コロンビア戦

決勝トーナメント進出のためには勝利が絶対条件の日本。相手はすでに決勝トーナメント
進出を決めているコロンビア。実力的には同グループでも一つ抜きん出ており、優勝のダークホースとされる強豪です。 そのコロンビアですが、なんと主力メンバー8人を入れ替えてきました。日本としては決勝トーメント進出のためにもですが、是が非でも勝って見返したいところでしたが、1-4の惨敗。世界との差をまざまざと見せ付けられました。

日本は前半17分に不用意なPKで失点。前半終了間際に岡崎のダイビングヘッドで追いつきますが、コロンビアが後半開始早々動いてきます。コロンビアはエース10番のハメス・ロドリゲスを投入。すると一気に流れはコロンビアへ傾きました。
ロドリゲスのプレーについては一人だけ次元の違うようなプレーでした。
高いテクニックと戦術眼。日本は決勝トーナメント進出のためには得点差をつけて勝つこと
が必要だったため、かなり前がかりになっていましたが、ロドリゲスは日本の
手薄になったところをいとも簡単に突いてコロンビアの得点に結びつけました。

この試合に何とか決勝トーナメントの可能性を信じ、最後まで必死にプレーした日本ですが、
逆に気持ちいいくらいに差を見せ付けられてしまいました。これまでの4年間は一体何だった
のか?と思わせるほどの世界との大きな差。日本のワールドカップはあっけなく終わってし
まいました。

2010年のワールドカップではスペインのパスサッカーが世界を席巻しましたが、今大会
そのスペインはグループステージで敗退。その他、ブランデッリ監督の元、カテナチオから
の脱却を図り、華麗なサッカーに転身したイタリアも敗退。ここ数年、FCバルセロナをはじめ
 としたパスサッカーが世界のトレンドとなっていたと思われてましたが、そのトレンドも変わり
つつあるようです。

日本もパスサッカーを目指していましたが、日本の場合、横パス、バックパスが多く、相手に
とって危険なプレーができていませんでした。

世界で勝つにはその国にあったサッカーを作り出していかなければいけません。
日本は長らく代表監督にワールドカップで優勝した国の監督を呼び、その国のサッカー
や戦術を取り入れようとしていたのですが、その流れを大きく変えたのがイヴィチャ・オシム
氏でした。オシム氏は日本独自のサッカーを作るとして日本代表監督に就任すると、
連動性や技術の高さを生かすサッカーをつくり、その道を示しました。
日本はこの方向性を大事にしていかなければいけません。
その上で戦術的な幅が広がれば、相手に研究されても簡単に負けるということはないと
思います。今大会のスペインがあっけなく敗退したのはまさしく世界中からかなり研究された
のがあると思いますが、だからといってパスサッカーを捨てるということはないでしょう。

日本代表はザッケローニ監督の辞任が決まりましたので新しい監督の元、日本のサッカーを
作り出していってほしいと思います。


Saturday 28 June 2014

日本のワールドカップを振り返る ギリシャ戦

6/19 グループステージ第2戦 ギリシャとの対戦です。
この試合、グループステージ突破の為には勝利が欲しい日本でしたが、
0-0のスコアレスドロー。またまた厳しい結果となりました。

日本は前半38分に相手選手の退場により、数的優位に立ったのですが、その
数的優位を生かすことができませんでした。日本の場合、意味のないポゼッションが
多く、相手ゴール前でただボールを回すだけなんですね。特に誰もシュートを狙う
わけでもなく、仕掛けもしません。時間ばかりが過ぎていくような試合でした。
ギリシャとしては1人少なくてもゴール前を固めていればいいわけで、日本からクロスを
入れられても容易にはじき返すことができました。そしてギリシャはボールを奪えば、何度か
カウンターで危険な場面もつくりだしました。

日本はこの試合、初戦のときよりは体も動くようになってましたが、攻撃のダイナミズム
はあまり生まれず、アイディアも乏しかったですね。右サイドの内田が何度か工夫して
いれていましたが、得点には結びつきません。また日本は香川がベンチスタートで代わりに
大久保が先発。 大久保はベテランらしく的確な判断でプレーができる選手。香川は初戦
確かに出来は良くありませんでしたが、エースなわけですから外すべきではなかったように
思います。香川は途中から出場しましたが、選手としては監督に対する信頼感を失くしてしまい
かねません。 大久保はあくまでジョーカーとして使うべきでしょう。
しばらく代表から遠ざかっていたのに本大会でいきなり呼ばれて
救世主的な役割を求められても酷な話です。

日本は最後まで圧倒的なボール保持率で攻めますが、決定的なチャンスをほとんど
作れず、そのままタイムアップ。日本は今大会初の勝ち点を獲得したものの、
決勝トーナメント進出の為には第3戦のコロンビア戦で最低でも勝利という厳しい
状況に追い込まれました。

Friday 27 June 2014

日本のワールドカップを振り返る コートジボワール戦

6/14(土) 日本はワールドカップ初戦 コートジボワールとの対戦。
コートジボワールはドログバ(ガラタサライ)ヤヤ・トゥーレ (マンチェスターシティ)
 ジェルヴィーニョ(ASローマ)など多くのタレントを擁す強豪です。
TVで観戦していましたが、現地では非常に激しい雨が降っていました。
キックオフは現地時間で夜10時!選手たちのコンディションはどうだったのでしょう?

試合は本田圭祐のゴールで先制するも、後半立て続けに点を取られて逆転負け。
初戦はグループステージ突破を決めるために非常に重要な1戦となるのでショッキング
な敗戦となりました。日本は立ち上がりは集中したプレーでよく守り、先制もしましたが、
徐々に動きの悪さが目に付きました。直前の親善試合で見せていたキレのある動きが
見られません。攻撃では本田がボールを受けても周りの選手がおらず、孤立してしまう
パターンもしばしば。日本の特徴である連動性がこの試合では見られませんでした。

失点は64分。日本の左サイドを突かれ、クロスを許すとニアサイドに飛び込んだ
相手FWボニにヘッドで合わせられ、同点とされます。
さらに2分後、左サイドを再び突かれ、クロスを入れられると、 今度はジェルヴィーニョが
ニアで合わせ、逆転されます。2点ともまったく同じパターンで決められてしまいました。

普通、こんな短時間に全く同じパターンで失点するのはあまりありません。
選手たちの危機管理能力に疑問が残ります。
日本の左サイドは攻撃的な選手が揃っており、前がかりになることが多いのですが、
うまく相手に突かれました。 
さらに2点目のシュートはGKのニアポストに飛んだので何とか弾き出せなかったのか。。

後半、日本が逆転されたのにはコートジボワールのドログバが途中から出場し、
 リズムを作ったのもありますが、
日本は攻守に効いていた長谷部が交代でピッチを退いたのも原因だと思います。

後半、逆転されてからもなかなか日本の運動量は上がらず、悪いまま。なかなか反撃
に転じることができず、相手に押し込まれてしまいます。
ボールを保持した攻撃サッカーを掲げていた日本ですが、ポゼッションでも相手を
大きく下回る結果に。

そして目を疑ったのが試合終盤でした。これまで日本がどんな状況になっても
やらなかったパワープレーを行ったのです。

 これまでの日本はハーフナー・マイクなど長身FWを送り込み、ベンチがパワープレー
を指示しても頑なに拒否して本田中心に無理にでも繋いで崩そうとしていました。
 結果的に今大会の日本は高さより、機動性重視のメンバー構成で臨んでいます。
こんな戦いは想定していなかったはずです。
チームの戦い方にブレがあったと言われても仕方ありません。
自分としてはパワープレイは必要なプレーだと思うのですが、これまでどんなになっても
日本はやらなかったこと。そして今大会はパワープレイは捨てて、繋いで地上戦で崩す
という意思を明確にしていたのに本番でやるのはどうなのか?ということです。

日本はこの試合、決死のパワープレーももちろん実らず、タイムアップ。
かなり痛い敗戦でした。それにもまして試合通して気になったのは、日本選手の動きの
悪さです。なぜかコートジボワールの選手と比べても体が重そうでした。コンディション調整を
どこで間違ったのか?キックオフの時刻は現地時間の夜10時。どうやらこれは日本の視聴者に合わせたことによるもののようです。こうした真剣勝負に代理店やらスポンサーやらが口を
挟むのはどうなんでしょう?気分は良くないですね。お互い同じ条件とは言え、選手たち
には負担となったはずです。

厳しい敗戦となった日本は6/19のギリシャ戦に向けて調整することになりました。
この試合で勝ち点を獲ることができなければグループステージ敗退が決まります。
チームの建て直しが求められる一戦となりました。


Thursday 26 June 2014

日本のワールドカップを振り返る コスタリカ~ザンビア戦

2014ブラジルワールドカップ。日本のワールドカップはグループステージ1分2敗という成績
で終わりました。優勝を公言していた選手もいた中で非常に厳しい現実を突きつけられる
結果となりました。日本代表はどのようにしてこのワールドカップを戦ったのか。
勝手な推測というか雑感になりますが、振り返ってみたいと思います。

日本代表は5/27国内の親善試合でキプロスと対戦した後(1-0で勝利)、アメリカ
フロリダ州のタンパ市で合宿し、コスタリカ(6/2)とザンビア(6/6)の2チームと親善試合を
組みました。結果は3-1(コスタリカ)、4-3(ザンビア)と共に勝利するといった内容
で上々の結果だったのですが、いくつか課題は残ってしまいました。
例えば、立ち上がりの失点や守備の連動の欠如です。
これらの課題は2戦共通して見られた課題だったため、少し気になりました。
日本の場合、守備において
連動したプレスをかけれてないことが多々あるように思えます。
攻撃の選手が一部守備に戻らなかったり、前線がプレスをかけてもラインを押し上
げれなかったりです。誰かが守備を放棄したりというのはちょっと論外なのですが、
誰かがポジションはみだして猛烈に相手ボールをチェイスした場合は、
周りの選手も連動しないとチェイスした選手の分、スペースを空けてしまうことになります。
守備において、そうして空いたスペースを突かれると危険な場面を相手に招きますね。
自分が考える限りでは常にフォーメーション通りに選手が配置され、しっかり
と前線、中盤、最終ラインとブロックを敷き、スペースを与えないことが大事だと思います。

それでもこの2戦について日本は勝利を収めているわけでチームとして順調に仕上がっている
のを実感できたのが収穫でした。動きにキレがでてコンディションも良さそうです。そして選手
たちもそれぞれの試合後のインタビューで冷静に課題を分析することができていました。

チームは7日にブラジル入り。キャンプ地イトゥで調整し、6/14日に初戦のコートジボワール戦
を迎えることになります。試合運びとしては良くないながらも、勝利を収めたということで
期待を抱かせてくれるような内容でした。