Tuesday, 8 February 2011

信頼する力

『信頼する力』サッカー日本代表 遠藤保仁著

南アフリカW杯の舞台裏から彼自身のサッカー観が書き綴られています。
特にW杯を間近に控えた日本代表の様子の部分はかなり生々しいものがありました。
当時の代表は親善試合でも負けが続き、マスコミから叩かれていて国民もほとんど期待してなかったように思います。
しかし、そんな世間の喧噪をよそにチームは違っていました。

岡田監督は勝利の為にかなりの努力をされるそうです。
大会前も標高の高い南アフリカでのプレーに慣れるため、高地トレーニングを実施。しかも専門家を呼んでメニューを作るといった徹底ぶり。
その他にも様々な取り組みを行ったようですが、選手達はそうしてチーム
のために頑張る姿を見て岡田監督についていったそうです。

そして監督は戦術の変更に着手します。守備的な戦術へのシフトでした。
大会前の親善試合対イングランド戦の2日前、遠藤選手を宿舎の部屋に呼んだ監督は
戦術変更の件を伝えます。しかし話はまだ続きました。
予選突破の立役者であり、攻撃の要である中村俊輔を先発から外すと話したのです。
これには遠藤選手も衝撃を受けたそうですが、監督の決断に大きな覚悟を感じ、結局チーム
 は守備的戦術で大会に臨むことになります。
岡田監督といえばフランスW杯のカズ外しで有名ですが、たとえ残酷でも
自分が勝利の為に必要と考えるならばどんな大きな決断でもする。

W杯でのチームのまとまりというのは出場した選手だけでなく、ベンチの選手に
よるところも大きかったですね。

結局、大会で日本代表はベスト16。もちろん課題もあったそうですが、日本中に大きな感動をもたらしました。

その他、本の中では最近の若手選手について触れてありました。最近の若手選手はハングリーさ
がなく、サッカー界でも草食化?が進んでいるようです(笑)
もっと世界を意識して強い覚悟で試合に臨まないといけない。
本田圭祐や松井大輔といった海外組は主張も強いし、サッカーに対する意識も非常に高いそうです。
そうしないと海外では生き残れないから。

サッカー選手が良いプレーするには自身の取り組みの他、監督との関係も重要。
そうした人間関係についても書かれてましたが、考えるところはビジネスマンと
一緒だなと思いました。

遠藤選手は独特のテンポをもったプレ―メイカ―であの正確なパスは非常に魅力的。
ブラジルW杯でも彼の姿をピッチで見たいですね。

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