Wednesday 19 June 2013

ユニフォーム悲喜交々

サッカーのナショナルチームのユニフォームを見ていると2極化が進んでいる。
サッカー界に君臨する2つのブランド。ナイキとアディダスだ。
ファッションブランドでもルイヴィトンがよくやっているけれど、
メガブランドが他のメーカーやブランドを買収して個性を
お金で買うのは寂しい。僕はこれまでイングランドのユニフォームが好きだったが、
つい最近、アンブロ⇒ナイキに変わった。アンブロはイングランド発祥のブランド
だったのでショックだった。アンブロ時代のユニフォームはシックでシンプルな
デザインが本当にかっこよかった。 ナイキ製のイングランド代表ユニフォーム
もシンプルなデザインだが、ちょっと違う。何が違うのかと言われる難しいが、
ちょっと違うのだ。

以前、日本を代表するデザイナー佐藤卓さんのドキュメンタリーをテレビで見た。
彼が言うにはクライアントのデザインを行なう際は『自分を消す』ようにしている
という。芸術家だったら自分の好きなようにできるだろうが、デザイナーは違う。
自分をださずにクライアントの立場にたってデザインし、デザインだけでクライアント
のメッセージやイメージを表現する。これはとても難しいことだ。
彼曰く、プロだったら、自由にやれればかっこいいデザインを作れて当たり前とのこと。
重要なのはいかにクライアントに寄り添ってデザインできるかなのだ。

日本代表のユニフォームはアディダス製だ。数年前まではシンプルで悪くないデザイン
だったが、ここ最近はちょっと迷走しているように感じる。特に2009年あたりから
のデザインは好きではない。まず新しいデザインが発表されてそのかっこ悪さに
がっかりする。そしてやっと見慣れたと思ったころにまたさらに上を行くデザイン
が発表されてショックを受けるということの繰り返しだ。
このようなデザインになっているのは100%メーカーのせいではなく、
恐らく誰か別の人間が後から口出ししているのだろう。
通常、デザイナーはいくらクライアントと言えどもあれこれデザインに口出しされて
デザインをいじられるのを嫌う。またいくつかデザイン案を持っていき、自信作が選ば
れないということもしばしばである。デザイナーとしては『なんで分かってくれないのかなぁ』
という感覚だ。

日本代表のユニフォームデザインに関して前から思っていたが、外部に依頼してもいい
のではと思っている。メーカーに任せるのもいいけれどやはり画一的にならざるを得ない。

ところで前述の佐藤卓さんはこんなことも言っていた。
『クラインアントの指摘を受け入れ、さらに良くしていく』
自分のデザインに口をだされても、それを受け入れた上でさらにいいものにしていく。
本当にスゴイデザイナーである。

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