Friday 2 August 2013

チームの若手育成を考えよう。

サガン鳥栖は先日、21歳のブラジル人ストライカー、ロニの契約解除を
発表しました。実は今シーズンに入って若手外国人選手の契約解除はこれで2人目。
昨年も若手についてはユース出身の守田が在籍していましたが、
ほとんど出場機会を得ることができず、結局2年で退団してしまいました。

サッカーは野球と比べて試合数も少ないですし、若手選手が出場機会を得るの
はかなり厳しいでしょう。 高卒でレギュラーに食い込める選手はそうはいません。
もしチームが若手選手を獲得する場合、ある程度長期的な展望を持って獲得
する必要があります。鳥栖にはそのノウハウがまだあまりないのかもしれませんね。

鳥栖において高卒で活躍した選手は高橋義希が挙げられます。
高橋は2004年に鳥栖に入団。
当時の鳥栖はJ2で戦力的に厳しい状況で戦っていたので若手選手にも
チャンスがたくさんありました。もちろん当時の監督、松本育夫さんの育成手腕も
あったと思います。彼は後にミスターサガンと呼ばれるまでに成長しました。

現在の鳥栖はJ1にいる上、降格しないためにギリギリの戦いを強いられている為、
なかなか若手選手にチャンスを与えることができません。
若手にチャンスを与える場としてナビスコカップもありますが、ベストメンバー規定
もあり、限界があります。

それではどうするか?
これはどのチームでもやっていることではありますが、
1年か2年、チーム内で体力や技術をみっちり鍛えさせて下のカテゴリーのチーム
にレンタル移籍させる。現在のJリーグでリザーブリーグがあれば話は別ですが、
若手選手が出場機会を得ることができるとしたら、それぐらいしかありません。
リザーブリーグはJリーグでも検討されてるのでしょうが、
遠征費用等が馬鹿にならないといった問題があるんですよね。
レギュラー選手の移動でも大変なのにリザーブの選手もとなると費用がおよそ
倍になってしまうでしょう。この件に関しては各チームから若手選手を集めて
チームをつくり、J3に参戦させるという話もあがっているようです。

若手選手の育成についてはこれまで述べた方法しか思いつかず、画期的な方法は
ちょっと思いつかないのですが、一番大事なのはチームの中でどう教育したり、接するか
ですね。チームは体力面や技術面で育成するのはもちろん、先輩の選手達が
プロの心構えを説くことも必要です。

そこで何かのインタビューで鳥栖のストライカー豊田が言っていた言葉です。
『プロでやっていくには武器がないといけない。自分は何が長所なのかを
認識することが必要で、そうしたことに後輩が気付くような環境をつくるよう
にしないといけない』

最近の鳥栖は若手選手の育成が上手くいってないのかもですが、以前の鳥栖は
大卒の選手を獲得しては猛練習で鍛えて主力の選手によく育て上げていました。
そうした選手の代表としては池田圭が挙げられます。
池田は2009年に入団。バンバン点を獲る選手ではありませんでしたが、前線からの
フォアチェックなど献身的な動きやスピードが特徴の選手でした。
入団当初はよく頑張るけれど点が取れないFWのイメージが強かった池田ですが、
彼の献身的なプレーは鳥栖のサッカーに欠かせないようになり、尹監督にも
レギュラーとして起用されるようになります。
私が見てきた感じでは彼にとってエポックメイキングのシーズンは2011年です。
彼自身日々かなりの努力をしてるのでしょう。相手DFを1人や2人背負っても
ボールを失わずにポストプレーをしてみせ、なおかつ点も獲るようになりました。
(何だか失礼ですかね~、この言い方。。)
トラップなどの基本技術が入団時と比べて格段に上手くなったなぁと思ったのを
覚えています。 そして持ち味のスピードを生かした突破やスペースをつくる動き。
この2011年シーズン、相方の豊田がJ2得点王になりましたが、これは池田の
おかげでもあると思います。 
彼もきっと自分の持ち味をしっかりと認識して毎日必死に努力していたんでしょうね。
プロで生き残るっていうのは本当に大変だなと感じさせられます。

プロの世界というのは一見華やかですが、一般の人には想像できない厳しい
一面もたくさんあると思います。プロとして活躍する平均年数はおよそ10年
でしょうか?その10年に自分の生活全てをサッカーに捧げるのはとても
素晴らしいことです。悔いのない競技人生をすごしてほしい。

 



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